永住許可の要件2026:改定ガイドラインと2027年3月31日の意味
2026-10-04
どのルールで審査されるかは、申請日で決まります。2027年3月31日までに申請した場合は2026年2月24日改訂の「永住許可に関するガイドライン」、2027年4月1日以降の申請は2026年10月1日に公表された改定版で審査されます。改定版では、世帯年収・年金・日本語能力・出国による不在期間などの考慮要素が加わり、配偶者と子に求められる期間も長くなります。また、当初の納期限を過ぎてからの納付は、申請前に全額納めていても原則として消極的に評価されます。
どのガイドラインが適用されるか
| 申請日 | 適用されるガイドライン |
|---|---|
| 2027年3月31日まで | 2026年2月24日改訂版 |
| 2027年4月1日以降 | 2026年10月1日改定版(全体) |
改定版の第6には例外が1つあります。第2の4(2)(収入:世帯年収)と第2の5(7)(公共の負担とならないこと)は、「本ガイドラインの改定日から6か月前の日以降の申請であって、かつ、改定日において申請中である案件にも適用」されます。2026年4月1日以降に申請し、2026年10月1日の時点で審査中だった案件のことです。出入国在留管理庁はパブリックコメントへの回答で、許否は判断時点の事情で判断すること、6か月という範囲は標準処理期間(4か月〜6か月)を踏まえたものであることを説明しています。2026年10月2日から2027年3月31日までの申請については、本文に個別の記載はありません。
申請区分別の在留年数
| 申請区分 | 2027年3月31日までの申請 | 2027年4月1日以降の申請 |
|---|---|---|
| 就労資格・家族滞在(原則) | 引き続き10年以上在留し、うち就労資格(技能実習・特定技能1号を除く)または居住資格で引き続き5年以上 | 同じ。ただし就労資格から育成就労、企業内転勤、一部の特定活動も除かれます |
| 定住者 | 「定住者」で5年以上 | 同じ |
| 日本人・永住者・特別永住者の配偶者 | 実体を伴った婚姻生活3年以上、かつ引き続き1年以上在留 | 婚姻生活5年以上、かつ引き続き3年以上在留 |
| 上記の実子等 | 1年以上在留 | 3年以上在留 |
| 高度人材(70点以上) | 3年 | 同じ |
| 高度人材(80点以上)・特別高度人材(J-Skip) | 1年 | 同じ |
2027年4月1日以降は不在期間も考慮されます。申請時点から過去10年以内に、合理的な理由なく1回の出国で半年以上、または通算2年6月以上不在だった場合は、原則として消極評価となります。配偶者の方は配偶者ビザから永住許可へのガイドもご覧ください。
どこまでさかのぼって確認されるか(審査対象期間)
提出書類一覧表とセルフチェックシートで、提出する記録の年数が決まっています。
| 申請区分 | 住民税 | 年金 | 医療保険 |
|---|---|---|---|
| 就労資格・家族滞在・定住者 | 5年 | 2年 | 2年 |
| 日本人・永住者・特別永住者の配偶者 | 3年 | 2年 | 2年 |
| 高度人材(70点以上) | 3年 | 2年 | 2年 |
| 高度人材(80点以上)・J-Skip | 1年 | 1年 | 1年 |
| 日本人・永住者・特別永住者の実子 | 1年 | 1年 | 1年 |
国税には期間の指定がありません。納税証明書(その3)は、証明日現在で未納がないことを証明するものです。表は2026年10月4日時点の一覧表にもとづいています。
遅延納付の扱い
2026年2月24日改訂版は次のとおり定めています。「公的義務の履行について、申請時点において納税(納付)済みであったとしても、当初の納税(納付)期間内に履行されていない場合は、原則として消極的に評価されます。」セルフチェックシートも、対象期間に未納や当初の納期限を超えた納付がある場合は「いいえ」を選ぶよう求めています。
2026年10月1日改定版は、より広い書き方になっています。公租公課を適切に支払っていない場合は消極評価とし、申請時点で未納がなくても、過去に滞納処分を受けたことがあるなど適切に支払っていない状況があれば原則として消極評価とします。公租公課は原則として同一生計世帯単位で審査されます。パブリックコメントへの回答では、納税・支払状況は「確認可能である範囲内で」確認するとし、一律の期間は示していません。
ご自身の記録の確認方法は、住民税の領収証書のガイドと年金の納付日のガイドで説明しています。
在留期間「3年」と2027年3月31日
永住許可には、現に有している在留資格について最長の在留期間をもって在留していることが求められます(セルフチェックシートでは「3年」または「5年」かを確認します)。これまで在留期間「3年」は最長の在留期間として扱われてきました。その扱いの終わり方は改定版の注4が定めており、基準は申請日です。
- **2027年3月31日までの申請:**在留期間「3年」は最長の在留期間として扱われます。
- **2027年4月1日以降の申請:**2027年3月31日の時点で在留期間「3年」を有し、その申請が2027年4月1日以降に行う初回の永住許可申請で、かつ、2027年4月1日から当該「3年」の在留期限までの間に処分を受ける場合に限り、最長の在留期間として扱われます。
例:在留期限が2028年8月15日の方が2027年5月10日に初回の申請をした場合、「3年」が最長として扱われるのは、2028年8月15日までに処分(結果)が出たときに限られます。2027年4月1日以降の2回目の申請には、この扱いはありません。
手数料と審査期間
- 2026年10月1日以降に受け付けられた申請:許可されるときに200,000円(収入印紙で納付)。
- 2026年9月30日までに受け付けられた申請:許可が10月1日以降になっても10,000円。
- 減額後の20,000円は、日本人・永住者・特別永住者の配偶者または子等で、生活の困窮など出入国在留管理庁の基準に当てはまる方に限られます。
標準処理期間は4か月〜6か月です。実際にはこれより長くかかることも多く、パブリックコメントでは「1年半から2年以上」という意見が寄せられましたが、回答に具体的な期間は示されていません。
2027年4月1日以降の申請で加わる考慮要素
2026年10月1日改定版で新設・明確化された主な考慮要素です(順不同)。
- 世帯年収:世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているか(第2の4(2))。
- 年金:将来の受給見込額が、その年収水準で30年間厚生年金に加入した場合の見込額に達しているか。不足分は金融資産(補填資産)で補うことができます(第2の4(3))。
- 日本語能力:「日本語教育の参照枠」のB1相当以上。高度人材とその家族、日本で初等・中等教育を累計6年以上受けた方などは例外です(第2の5(8))。
- 我が国の制度・ルール等への理解:出入国在留管理庁長官が指定する方法で確認(第2の5(9))。
- 学齢期の子の就学(第2の5(10))。
- 不在期間(上記)と、公租公課の世帯単位での審査。
年収水準・受給年金水準・補填資産額の具体的な額は、公表しない方針とされています。2027年4月の新基準のページでは、公的統計にもとづく参考値を計算できます(基準額ではありません)。
2027年4月1日からの永住者の在留資格の取消し
令和6年の入管法等改正により、故意に公租公課の支払をしないことが、永住者の在留資格の取消事由に加わりました(入管法第22条の4第1項第8号)。取消しに関するガイドラインは2027年4月1日から運用されます。病気、災害、失業などのやむを得ない事情で支払えない場合は該当しないとされ、取消事由に該当する場合も、ほとんどは「定住者」への職権による変更を想定していると説明されています。
今、確認しておきたいこと
- ご自身の申請区分と、必要な在留年数・審査対象期間(上の表)。
- 在留カードに記載された在留期間と在留期限。
- 対象期間の住民税の各期:納税通知書に印字された納期限と、実際の納付日。
- 対象期間の国民年金と国民健康保険の各月。特に転職と転職のあいだの期間。
- 国税に未納がなく、納税証明書(その3)に問題がないこと。
- 時期:日本で発行される証明書は、発行日から3か月以内のものを提出します。
- 2027年4月1日以降に申請する場合:過去10年の出国期間、日本語能力、世帯年収。
無料チェックでは、書類を1点読み取り、見つかった納付と納期限の件数をお知らせします。