配偶者ビザから永住へ:婚姻3年・在留1年と2027年4月からの変更
2026-10-04
日本人・永住者・特別永住者の配偶者は、婚姻3年以上・日本に引き続き1年以上在留していれば、永住許可を申請できます。これは2027年3月31日までに申請する場合です。2027年4月1日以降の申請では、改定ガイドラインにより婚姻5年以上・在留3年以上に延びます。納付状況の審査対象期間は、住民税が3年、年金と医療保険が2年です。日本人・永住者の実子等は、どれも1年です。
婚姻期間と在留期間:2027年4月の前と後
いまのガイドライン(令和8年2月24日改訂、2(1))の規定です。「日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子等の場合は1年以上本邦に継続して在留していること」。
令和8年10月1日改定のガイドライン(第3の1)は、年数を次のように変えています。「実体を伴った婚姻生活が5年以上継続し、かつ、引き続き3年以上本邦に在留していること。その実子等の場合は3年以上本邦に継続して在留していること」。
| 申請者 | 2027年3月31日までの申請 | 2027年4月1日以降の申請 |
|---|---|---|
| 日本人・永住者・特別永住者の配偶者 | 実体を伴った婚姻生活が3年以上、引き続き1年以上在留 | 婚姻生活5年以上、在留3年以上 |
| 実子等 | 引き続き1年以上在留 | 3年以上在留 |
どちらの基準になるかは、処分の日ではなく申請日で決まります。「実体を伴った婚姻生活」とは、届出だけでなく実際に夫婦として暮らしていることです。入管庁はパブリックコメントへの回答で、期間を延ばした理由を説明しています。婚姻3年・在留1年では、婚姻の実態や継続性を十分に確認できないからです。確認の方法は公表しないとしています。
入管法第22条第2項により、日本人・永住者等の配偶者や子は、素行善良要件と独立生計要件を満たす必要がありません。ただし国益要件は適用されます。税や保険料を期限内に納めることも、その一部です。
審査対象期間
入管庁の「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」用のセルフチェックシートと、提出書類一覧表による期間です。
| 申請者 | 住民税 | 年金 | 医療保険 |
|---|---|---|---|
| 配偶者 | 3年 | 2年 | 2年 |
| 日本人・永住者の実子等 | 1年 | 1年 | 1年 |
配偶者の扶養を受けている場合は、シートの注記に従います。「あなたが扶養を受けている場合は、あなたの扶養者の納税状況を回答してください」。入管庁の申請案内も、申請人と申請人を扶養する方の両方について、所得・納税や保険料の資料を求めています。そのため、配偶者が納期限を過ぎて納めた住民税も、申請の中で見られることになります。
期限の考え方はほかの類型と同じです。当初の納期限を過ぎてからの納付は、原則として消極的に評価されます。詳しくは住民税の分割納付と領収証書と国民年金の納付の遅れと永住をご覧ください。
2組の夫婦の例
2024年1月に結婚した場合:サラさんは2024年1月15日に日本人の夫と結婚しました。2023年4月から日本に住み続けており、2027年1月15日(金)で婚姻3年になります。住民税3年、年金・医療保険2年の対象期間で、サラさんの記録に遅れがないとします。夫に扶養されているなら、夫の記録も同じです。それなら、2027年1月15日から3月31日までの間に、いまのガイドラインで申請できます。
2024年5月に結婚した場合:アナさんは2024年5月10日に結婚し、2023年10月1日から日本に住んでいます。婚姻3年になるのは2027年5月10日で、3月31日より後です。いまのガイドラインのうちに婚姻3年には届きません。そのため、配偶者としての申請は改定ガイドラインで審査されます。必要なのは婚姻5年(2029年5月10日)と在留3年(2026年10月1日に満たしています)です。この類型での最も早い日は2029年5月10日になります。
どちらの日付も、ガイドラインの期間から出しただけのものです。満たしたからといって許可されるわけではありません。
在留期間と経過措置
「日本人の配偶者等」と「永住者の配偶者等」の在留期間は、5年・3年・1年・6月のいずれかです。ガイドラインは最長の在留期間を持っていることを求めますが、2027年3月31日までの申請なら、在留期間「3年」も最長として扱われます。
2027年4月1日以降の申請で「3年」が最長と扱われるのは、次の3つをすべて満たす場合だけです。
- 2027年3月31日の時点で在留期間「3年」を持っていた
- 4月1日以降の初回の永住許可申請である
- その「3年」の在留期限までに処分を受ける
標準処理期間は4か月〜6か月ですが、実際にはそれより長くかかることがよくあります。在留期間が1年なら、セルフチェックシートの質問6は「いいえ」です。詳しくは2027年の新ルールをご覧ください。
手数料:20万円、困窮している場合は2万円
2026年10月1日以降に受け付けられた申請は、許可されれば収入印紙で20万円を納めます。2026年9月30日までに受け付けられた申請は、旧手数料の1万円です。
減額後の手数料2万円の制度もあります。永住許可で減額の対象になるのは、日本人・永住者・特別永住者の配偶者や子等に限られます。生活保護法に規定する要保護者に準ずる程度に生活に困窮していると認められ、人道上の配慮が必要な方が対象です。申請の際に、生活保護受給証明書などの疎明資料を出します。在留申請オンラインシステムでの申請は減額に対応していないので、窓口で申請します。
2027年4月1日から変わるその他の点
- 公租公課は世帯単位で審査:改定ガイドラインは、公租公課の支払を「原則として同一生計世帯単位で」審査します。過去に滞納処分を受けたなど、適切に支払っていなかった状況は、申請時点で未納がなくても原則として消極評価されます。
- 公共の負担とならないこと:配偶者や子は独立生計要件を求められません。それでも、世帯が現に公共の負担となっている、またはそのおそれが現実的で、そうなったことに特段の事情がなければ、消極評価をすることがあります。家族単位での在留の安定や人道的な配慮を重視して、総合的に判断するとされています。この要素は、2026年4月1日以降に申請し、10月1日の時点で審査中だった案件にもすでに適用されています。
- 日本語能力(B1相当):配偶者は、ガイドラインに挙げられた例外に入っていません。入管庁はパブリックコメントへの回答で、配偶者を除外するのは相当ではないとしています。永住者の子は、養育する親がB1相当以上で、子が日本で生まれた場合に例外となります。
- 海外にいた期間、制度・ルールの理解、学齢期の子の就学も、ほかの類型と同じように考慮されます。2026年の永住許可の要件もご覧ください。
無料チェックで配偶者の類型を選ぶと、納付に関する各質問に審査対象期間が表示されます。有料の監査では、配偶者の書類を扶養者の記録として加えることもできます。
出典
- 出入国在留管理庁「永住許可申請1」(日本人・永住者等の配偶者、実子等)
- 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
- 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」
- 出入国在留管理庁「永住許可申請セルフチェックシート(日本人の配偶者等・永住者の配偶者等)」
- 出入国在留管理庁「永住許可申請にかかる提出書類一覧表(就労資格以外)」
- 出入国在留管理庁「永住許可申請」(手数料・標準処理期間)
- 出入国在留管理庁「令和8年10月1日以降における在留許可手数料の減額措置又は免除措置について」
- e-Govパブリック・コメント「永住許可に関するガイドライン案改定に係る意見募集の結果について」
- 出入国管理及び難民認定法施行規則(e-Gov法令検索、別表第二)